海馬とLTPと記憶

■記憶の実体はシナプスの伝達効率UP

 神経細胞は他の神経細胞を結びついて神経回路をつくります。そして神経細胞どうしの接点をシナプスといいます。このシナプスが長期にわたってしっかりと結びついて伝達効率が上昇する現象を、長期増強(LPT long term potentiation)といいます。

 1973年、神経科学者ブリスとレモは、海馬を電気刺激して、海馬におけるLTPを発見しました。あるシナプスが反復的に使われることにより、情報が通りやすくなり、その変化が長く持続する。このLTPこそ記憶の最も基本的で最小の課程であると考えられるようになりました。実際にLTPを薬物などで妨害すると記憶障害が起こることが動物実験であきらかになっています。

 そして、LTPには持続の短いLTPと長いLTPがあります。持続の短いLTPは短期記憶に、持続の長いLTPは長期記憶に対応し、長期記憶のみがタンパク質合成を必要とします。持続の長いLTPを発生させるには反復刺激を与える必要があります。1回では覚えられないように抑制されているのです。
 これは1回だけ偶然に起きたことより反復して起きたことを重要なこととして記憶するためのしくみと考えられます。

 これが、ものごとを覚えようとするときに、反復すると記憶が強固になる理由です。


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