(3)速読での「速い」とは

速読にいう読書過程の「素速さ」とは、何を意味し、要求されるでしょうか。

一目で見ることのできる文字数の範囲(単に文字を見ることだけでなく、語の認知、意味把握等)を以前より拡大し、
それに要する時間を短縮することです。
この意味を正しく理解するためには、一般の読書ではどんな読み方をしているのか、これを少し説明する必要があります。

書物の読み方に対する研究は、ジャバールに始まったとされています。
我が国では松尾長造(1919)、草津時介(1951)等によってなされ、また国立国語研究所でも研究が進んでいます。

視点の流れを図解

研究によると、文字は景色等を眺めるのとは異なり、形として正確に把握する必要があるため、1目で見る(以下、1視点という)範囲は意外と少ないとされています。
日本語の場合1視野で3~4文字、平均で3.2文字といわれます。

1視点で補足できる文字数の範囲を、景色などを眺めるときの一般視野に対し、特に「読視野」といいます。

3.2文字を見るのに要する時間は200~400ミリ秒、平均で250ミリ秒とされています。
この3.2文字を見るのに要する時間を「視点停留時間」といいます。

3.2文字を見たら次の3.2文字に視点を移動する必要があります。
その視点移動を「視点飛躍」といいます。
これに要する時間は15~25ミリ秒前後と、非常に短い時間しかかかりません。

以上を図式化すると左図のようになります。
3.2文字を250ミリ秒にかけて見た後、次の視点に15~25ミリ秒で視点飛躍する、この連続が一般の読書です。

この結果は日本人の平均値です。
人によって、読視野の範囲、視点停留時間に差を生じ、同じ人でも本の種類、読書時の心身の状態等で異なりますが、読書速度は1視点での読視野の範囲とその停留時間の相関関係で決まります。

結局、速読での速いとは、1視点での読視野拡大と視点停留時間の短縮いうことになります。

速読では、短い時間により多くの文字を知覚し、その文字によって表現される意味を認識することが要求されることになります。


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