ならし読み2-通常の速度でよりしっかりと読めるようになる
■速くしっかりと読めるようになるには、まず「しっかり」の方を固めておくのが早道です
ならし読みのところで、読んだ内容を書き出していただきました。
人によっては「思ったよりも覚えていなかった。」という方もいたと思います。
そういった方が、いきなり速く読もうとすると、速度に負荷をかけたとたんに全く内容がわからなくなってしまいます。
そこで、速く読むトレーニングに入る前に、通常の速度でよりしっかりと読めるようになるためのトレーニングを行います。
まだ基礎トレーニング段階なので、これをやったから目に見えてスピードが上がるというわけにはいきませんが、後々の理解度向上のために、とても大切なトレーニングなので、気を抜かずに行いましょう。
■読んだ後に内容を詳しく書き出す
やっていただきたいことは、前回のならし読みと同じです。
1冊目と同程度の量、難易度の本を、普通の速度で本を読み、その内容を書き出します。
読むのにかかった時間も計ってください。
前回と同じでいいの?
と思われるかもしれませんが、実際にやってみると1冊目よりも「書き出し」が楽になっていませんか?
おそらく多くの方が1冊目よりもスムーズに書き出せたと思います。
「書き出し」というのは単純な行為ですが、読解力向上にとても有効なトレーニング方法なのです。
3冊目は少し書き出す量を増やしてみましょう。
今度は800字程度で、前回よりも、より詳しい部分まで書き出してください。
それから、書き出し終わった後には、内容の確認も忘れずにしてください。
書き出している最中、記憶があいまいだった所もあったと思います。
その部分をしっかり確認しておいてください。
この確認作業も自分の読書のスタイルを知る目安になります。
この作業を5~6冊行います。
■「どんな表現で書かれていたか」まで思い出す
今回も同じように普通に本を読んでください。
しかし、読み終わってからが違ってきます。
今度は読み終わった後、
本に書かれていた単語を記憶を頼りにノートに書き出してください。
名詞だけでなく、動詞でも形容詞でも擬音語でもなんでもかまいません。
文節単位くらいに、どんどん書き出します。
ただし、これも前回と同様、覚えながらは読まず、あくまで普通に読んでください。
単語の出し方は、思いついた順に書き出すのではなく、
前回の内容の書き出しと同じようにまずは頭の中でストーリーを思い出します。
更に深く思い出そうとすると、どんな表現で書かれていたか、というところまで思い出されていきます。
そこまで思い出せたら、1つの表現に3~6個程度の単語は使われているので、それを書き出すようにしましょう。
その際、これはテストではないので、あまり厳密にならなくてもかまいません。
「こんな単語があった気がする」程度の単語でかまわないので、どんどん書き出します。
この「頑張って書き出す」という行為が脳に効いているのです。
単語は少なくとも100個以上、書き出せるだけ書き出します。
この作業も5~6冊は行ってください。
このトレーニングで最初から100個以上の単語を書き出せる方は少ないと思います。
教室でも、最初から100個以上出せるという方はむしろ少数で、60~70個で精一杯という方が大多数です。
しかし、みなさん5~6冊目では150~180個くらい出せるようになり、多い方は200個以上の単語を書き出せるようになっています。
継続は力です。
ここまでのトレーニングで、10~12冊の本を普通の速度で読んできましたが、いかがでしょうか?
最初の頃に比べ、読後に内容がハッキリとあたまに残るようになったはずです。
このように本を速く読んで、内容もしっかりと頭に残すようにするには、ある程度の下準備が必要となります。
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