記憶力のもう一つの原因は想起力の差
■海馬がなくても想起(思い出すこと)はできる
海馬は記憶を司るところであり記憶脳といえる働きをしますが、想起には必要ありません。
つまり海馬がなくても思い出すことはできるのです。
てんかんで海馬を切除されたH.M氏は新しいことは記憶できなくなりましたが、手術前の記憶は正常に思い出せました。
これは海馬がなくても想起ができることを意味します。
海馬は想起には関わらないが、想起しやすい記憶にするかどうかは海馬の判断です。海馬によって重要なものと判断された情報は容易に想起できる長期記憶として保存され、そうでない情報は想起しづらい記憶になります。
さて、海馬によって重要ではないと判断された情報は、頭の中から消えてしまうのでしょうか。いいえ、そうではありません。
実は消えてしまったわけではなく、潜在的な記憶としてたくわえられているのです。
そして、想起力を鍛えてコントロールすれば、
想起しやすい記憶だけではなく、潜在的な記憶も思い出すことができるのです。
このようなことから、記憶法は海馬を鍛え記銘力をコントロールする方法とは別に、想起力を鍛えコントロールする方法があります。
海馬を鍛える方法が「何でも覚える方法」とすれば、想起力を鍛える方法は「何でも思い出す方法」といえます。
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「忘れる」ということは思い出せなくなるだけだ。記憶脳(海馬)は簡単トレーニングで増やせます。