「忘れた」ということは思い出せないだけ
■脳は潜在意識レベルではすべてを記憶している
生命の危機を経験した人が、一生のことが走馬燈のように次々と浮かんでは消えたと語ることがあります。脳の記憶容量は驚くべきものがあり、経験したことはすべて痕跡として残っています。
3項では脳は覚えるより忘れるほうが得意にできていると述べましたが、実は忘れたことも単に思い出せなくなっただけであり、潜在的な記憶としては脳の中に残っているのです。
むかし習ってすっかり忘れてしまったことでも2回目に学習するときは前より記憶するのが楽になるという現象があります。これは潜在的な記憶が2回目の学習を助けたわけです。
それでは、この潜在的な記憶を思い出し活用する方法はあるのでしょうか。
実用的ではありませんが、カナダの脳外科医ペンフィールドは、側頭葉を電気刺激すると過去の記憶がありありと想起されるという驚くべき現象を発見しました。
博覧強記で有名な南方熊楠は側頭葉てんかんを患っており、側頭葉にてんかん性放電源があったことが超人的記憶の秘密だったようです。
実用的な方法としては、催眠法など潜在意識をコントロールする心理的な方法により、潜在的な記憶を思い出すことは可能です。
記憶法では脳波をアルファ波にして潜在意識をコントロールするというトレーニングも行います。
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「忘れる」ということは思い出せなくなるだけだ。記憶脳(海馬)は簡単トレーニングで増やせます。